全組合員で 共同し 6万千葉労連を建設 する
千葉労連は、9月5日に第 33 回定期大会
を、千葉県教育会館で開催しました。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、サテライト会場5ヶ所を設置し、参加者は、代議員や常任幹事などを含め117名での開催となりました。大会では①一日8時間働いてふつうに暮らせる社会の実現②コロナを利用した憲法改悪は許さない③全組合員で共同し6万千葉労連を建設するという3つのスローガンを元に、議案が全会一致で採決されました。2021年度の新役員も選出しました。
議案提案
大会の議長団には、全国一般の谷川博文代議員、千葉地区労の齋藤實代議員が選出されました。千葉労連の本原康雄議長のあいさつ(要旨別掲)の後、矢澤純事務局長が2021年度運動方針案、赤羽根伸一事務局次長が2020年度会計決算報告、2021年度財政方針・予算案の提案を行ないました。大会に全国の仲間から 28 通のメッセージが寄せられました。
苦境こそ組合活用
15 人の代議員から積極的な発言(要旨別掲)をうけ、矢澤純事務局長が総括答弁を行いました。新型コロナウイルスが蔓延する中、労働者が一年に渡り、苦しい立場に置かれています。全ての労働者の大幅賃上げを求め、労働条件の改善と安定した雇用の拡充を国に要求しています。地域の活性化や持続可能な地域社会への転換を求め、平和を守るたたかいにも力を入れます。単産・地域と一体に未組織労働者の組織化、地域労連と要求を実行するため、組合員の諸要求実現に向け、総決起しようと結びました。
労働者のいのちと暮らしを守ることを最優先に奮闘する千葉労連は、3つのスローガンを確認しました。採決では、全議案を全会一致で可決し、大会宣言を確認しました。役員選挙では、立候補した全員が信任され、新たな役員が選出されました。若葉義幸副議長の団結ガンバローの三唱で大会を閉会しました。
新自由主義の労働法制改悪からの脱却
全県各地から参加頂いた代議員の皆さんとZOOMを通じたサテライト会場の皆さんに、千葉労連の決意を語ります。先日、菅首相が政権を放り出す前代未聞のニュースがありました。悪政権は追い詰められ辞任となりました。来るべき総選挙に向けて、この間の新型コロナウイルス感染症拡大爆発や医療崩壊をもたらした事態の責任を取るべきです。安倍首相と菅首相やこれを支えた自公政権に政策を任せるわけにはいきません。コロナ禍で解雇され、シフトを削減される多数の非正規労働者ですが、その生まれる背景には、新自由主義の政府による、労働法制の改悪がありました。今度の総選挙は新型コロナパンデミックを踏まえて、40年近く労働者を苦しめた新自由主義からの脱却を図る、歴史的な選挙になるはずです。労働者の切実な要求実現を直結させるための大事な選挙です。最賃1500円以上の実現、非正規と正規職員の均等待遇の実現、消費税の廃止や全ての労働争議の解決など、政権を交代させ、実現の可能性を大きく広げるべきです。苦しい生活は仕方がない、と思わされている社会を国民みんなで変えていきたい。そのためにも、一人でも多くの労働者に選挙に行く選択をしてほしいのです。横浜市長選挙でも野党の共同候補が圧勝。こうした連続した取り組みが、市民と野党に勝利をもたらします。私達が大いに参加し、関りを持つことにより結果はついてくるのです。9月4日、革新懇の総会の中で、一ツ橋大学の名誉教授の渡辺先生は労働組合は、市民と野党と共闘し、素晴らしい共同の力を発揮するべきだ、と語っています。昨年の 10 月には郵政の労契法 20 条裁判が最高裁で勝利しました。今年の5月には首都圏建設アスベスト訴訟で最高裁の勝利判決が出ました。最低賃金では私達の要求の全国一律1500円以上には、まだまだ程遠いですが、目安制度が始まって以来の 28 円答申でした。最大の上げ幅です。労働組合や全労連が存在するからこそ、なかまを増やす展開が望めるのだと思います。
代議員の発言(要旨)
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〇賃金格差の是正 自治労連 實川理さん
感染症対策にあたる自治体職員の労働環境は劣悪で、残業規制は対象外で、長時間労働で過労死ラインを超えている。非正規と正規の賃金の格差だが、今年の人勧は一時金0・15 ヶ月マイナスとなっている。年間賃金換算で3・7%削減になる。会計年度職員は削減率 12%という格差となっている。
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〇建設アスベスト勝利 千葉土建 桒原厚さん
5月 17 日、建設アスベスト訴訟の最高裁判決が言い渡され、13 年目の勝利判決となった。マスコミにも大きく取り上げられた。和解基準法案が全会一致で成立し、基金が創設しました。今後も国と建材企業との裁判は続く。8年連続で年間増勢を達成し、コロナ禍でも電話や手紙、SNSを活用し、つながりを絶やさず、組合員拡大を追求していく。
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〇最賃1500円を コープネットグループ労組 常泉恭子さん
私の職場の仲間は、コロナ禍でも夏の配達をし、感染すると組合員さんに迷惑をがかかると神経を使った。昨年の最低賃金の回答には愕然としたが、今年は28円の上澄み額で安堵した。全国で働く非正規は、全国一律1500円以上を目指し、頑張っている。変形労働制についても学びました。非常勤は100%給与を支給するということになりました。結果として、特別休暇を勝ち取ることができました。
〇保育の配置基準の改善 福祉保育労 松田天子さん
保育・福祉職場では、感染防止対策が求められ、精神的に限界だった。今の配置基準では密を避けられずに、子どもの命を守る事が出来ない。5年での離職者も増え、仕事量に見合う賃金が求められている。国の配置規則の緩和が保育の質を落とす。改善を求め、請願署名に取り組む。
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〇オンラインメーデー 船橋労連 前田尚幸さん
5月1日、メーデーを船橋地域で、船橋中央公民館をメイン会場にし、土建船橋習志野支部、二和病院、船橋教育会館をつなぎ、オンラインで開催。ハープ演奏や中央で用意したメーデーの歴史ビデオの視聴などを企画。参加者は100人となり、新しい出会いとなった。
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〇建設アスベスト訴訟 千葉土建 海老原秀典さん
市原支部では密にならない「住宅デー」を考え、工作教室では、作り方をユーチューブ配信しました。小学生から「思い出を下さりありがとう」などと言ったビデオレターが支部に寄せられています。コロナ禍でも組合としての地域貢献は出来ます。建設アスベスト訴訟、第1陣は国の責任のみであったが、9・4第2陣東京地裁判決は国と建材メーカーの責任を認めさせました。引き続き東京第一陣最高裁判決に向け署名の協力をお願いします。
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〇障害者施設職員の現状 船橋労連 中川真人さん
さざんか会障がい者施設で集団クラスター発生。組合は集団感染早期収束、法人の危機管理機能確立、感染対策徹底を柱に法人や県や市に要請文を提出し懇談しました。法人は対策本部を設置せず、各事業所が対応。常に3密で感染拡大の不安があり、統一した感染対策が必要と団交で進めます。コロナ禍不安アンケートでは、労働時間内に施設に持ち込んだと問題視されました。辞める職員が多く時給は950円、月給職員は更に低い状況です。
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〇昭和ゴム労組たたかう 東葛労連 青木宏泰さん
昭和ゴムは、悪徳ファンドAPFに経営権をとられ 10 年が経った。それ以降に定期昇給はストップし、10 年間で昇給は1万円程度。4800万円の黒字を計上したが、ボーナスは超低額の3万円。これでは、生活が厳しい。生活と権利を守るためにたたかう。
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〇地域の労働者を守れ 全労連・全国一般 本多剛さん
タクシー会社では稼働率が低く、自粛要請されたが、雇用助成金で休業手当が支給された。コロナ前の6割の金額で、若者離れが進む。地域の交通網の維持が困難だ。上下水道での民営化の動きで、水道の商品化の恐れがある。清掃労働者へのワクチン接種を市に要請し実現させた。
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〇オリパラ観戦阻止 全教千葉 中川晃さん
オリパラ学校連携観戦中止を、昨年6月から求めた後、辞退が増えた。千葉市など実施する自治体もあった。県は命と健康を守らない。教員は、コロナ禍とICT化で多忙になった。衆院選は、新政権に変えるチャンス。職場では投票に行こうと呼びかけている。
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〇年金裁判勝利に向け 年金者組合千葉県本部 麻生定雄さん
12・3に減額裁判の判決が出る。安倍・菅政権のもと、年金が6・5%削減されて生活が苦しくなった。医療費2割負担問題は、現役の負担が年350円に過ぎず、国の狙いは980億円公費負担の削減ではないのか。強行採決されたが、実施は来年 10 月以降なので、2割化の撤回署名に取り組みたい。多くのなかまに声をかけ、裁判の勝利と新しい政治を目指して頑張りたい。
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〇会社の組合潰しを阻止 JMITU三和機材支部 福田憲次郎さん
三和機材福田委員長雇止め不当事件、委員長復職を優先し、会社側の和解案に合意。会社自ら和解案を決裂させ、組合潰しが明白になった。7・28 都労委命令で主張を一切認めず、不当労働行為には該当しない判決が出た。納得出来ず8・11 中労委再審査を申請。引き続き支援を頂きたい。
〇地域労連発信の行動を 市浦労連 中陣春夫さん
機関紙を通じ、労働・地域運動・国内外の問題を労働組合が取り上げ、紙面にする事により世の中の情勢を伝える。(市浦地域でメーデー)の声に市川駅に 60 人が結集した。衆院選の結果次第では、情勢が大きく変わるだろう。すべての組合員に投票行動を呼びかけ、立憲政治を取り戻すため、地域労連の役割を考え果たしていきたい。
〇保健所のルール確立を 市原地区労連 藤代学さん
10 の構成団体は、吸収合併により9団体となった。コロナで自宅療養し、希望者には保健所から配食が聞かれるが、保健所からの連絡がなかった。県庁に聞いた所、保健所からお詫びがあった。県は保健所にルール説明をせず、市との連携も不十分であった。
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〇命を守るために奮闘 労連ユニオン 戸村稔さん
今、50 人の組織である。労働相談を通じ、一人でも組合に加入出来ると伝えている。単産で対応可能な場合は単産に相談の紹介をしている。コロナ禍でパワハラ・退職強要が増加。千葉労連と連携して、命と健康を守るため頑張りたい。
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〇労働組合を一緒に作ろう 労連ユニオン 中林正憲さん
権利討論集会では、フリーランスの労働者が組合を結成した例を語り、交流する。労働安全衛生学校や単組担当者は基礎的な学習が必要。過労死シンポでは厚労省が主催し、協力団体に千葉土建が加入。過酷な労働現場に組合結成させる。
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〇医療崩壊を防ぐ行動・医療従事者を守れ 千葉県医労連 遠藤祐子さん.
千葉労災病院ではコロナ 29 病床を開設。19 歳が意識障害で運ばれたが、入院出来ず帰宅。医療崩壊は現実に起きている。コロナ禍でも給与体系などを変え、労働者の労働環境・給与を悪化させた。国は国公立の縮小・統廃合を今後も、すすめようとしている。