2019.02.13派遣

【2017年12月31日】~離職票と失業給付~

Q:

6カ月契約の派遣社員です。契約期間途中で派遣先が閉鎖になりました。新たな紹介先が遠距離で、子育てに支障が出るため断り、退職するつもりですが、失業給付がすぐ貰えないと言われました。雇止めではないのですか。(30 代女性)

A:

この問題は派遣社員でよく起きる問題です。派遣会社は、派遣先の都合で派遣を取りやめる場合でも、契約期間が残っている場合は、次の仕事(派遣先)を紹介するか、解雇するかを選択することになります。ところが辞めさせたい場合は、労働者が辞めざるを得ないような派遣先を紹介するなどして、労働者から退職を言い出すように仕向けることがあり、今回のケースはその典型例です。

次に、失業給付の問題です。雇用保険に加入している人は、加入期間に応じて失業給付を受給できます。失業給付は、会社都合で退職する場合は、すぐに失業給付が支払われますが、本人都合で辞める場合は、支給までに3か月の待機期間が置かれます。また、ハローワークは、普段から解雇など会社都合で辞めさせる会社が少なくなるようにチェックしています。そのため、会社は会社都合としないで、本人都合の形でやめさせようとします。

具体的には、労働者が、失業給付を請求するために添付する離職票の辞めた理由のチェック欄に本人都合とするために退職届を提出させることを求めます。今回の場合は、派遣会社が紹介した仕事を断ったのだから、本人都合だという形になっています。問題は、断る理由が合理的な理由にあたるかが問われることになります。したがって、退職届は出さず、ハローワークで事情を説明し指導を受けることを勧めました。【中林】