Q:
店にローストチキン販売のノルマがあり、ノルマが達成できなかったら自腹で買うように言われました。この場合、買うことを拒否しても大丈夫でしょうか。買わないことによって不利益が生じた場合、どう対処すれば良いのでしょうか。
A:
年末が近づくとクリスマスケーキやおせち料理の買い取りを強制されたという相談が来ます。どんな問題点があるのか整理しておきましょう。
第1に、違法行為と言えるかという問題です。
従業員に商品の買い取りを求めることが、即座に違法行為になるわけではありません。強制された場合、どの程度の強制なのか、どんな方法で強制しているのかなどによって判断することになります。
「買ってほしいと思っている」「買う人もいるよ」という「勧誘」程度の場合は、一般の消費者と同じとみなされることがあります。しかし上司から「買え」「買わなければクビだ」などと言われた場合は違法行為です。この場合はきっぱり拒否し、できれば録音しておくことです。
第2に、拒否しているのに「給与から天引き」された場合です。給与からの天引きは本人の同意がなければできません。したがって、天引きは労働基準法違反となります。
質問にあるように、「不利益(賃金減額や解雇等)」が生じることは許されていません。
対応としては、第三者がいじめや嫌がらせの事実を確認できるように録音を取ることや事実を細かに記録すること、解雇の場合は解雇理由を文書でもらうことです。証拠をもって勤め先の区域を管轄している監督署に相談に行くか、相談センターに電話をしてください。決して一人で悩んだりしてはいけません。【中林】