2019.02.13給料支払い

【2018年6月30日】~奨学金のお礼奉公~

Q:

病院の奨学金を貰い看護学校に通いました。卒業後3年勤務すると返済しないでよい条件になっています。勤務はシフトの他に休みが出ると穴埋めに入り、よく呼び出しを受けます。時間外労働をしても残業代が支給されません。おかしいと思い質問したら、奨学金の返済働きだから言わない方が良いとたしなめられました。転職したいとのですが、新職場に奨学金の返済途中で辞めたということを通報されたりしないでしょうか。

A:

各種資格を取得するにあたり、一定期間働くことを条件に費用を出してくれるところがあります。トラブルは多くの場合、貸付金額と返済方法について明確な書類がなく、口約束などのために起きています。当相談は、病院の職員確保もかねて奨学金制度として作られており、貸付金額や返済方法が明記された書類に押印したもので、制度自体には問題がありません。ところが、実際の働かせ方に問題があります。俗に〝お礼奉公〟と言われるように、管理職が借金(奨学金)の返済という弱みを握っているので、思いのまま酷使するのが当たり前と思い込んでいるところにあります。

奨学金の返済義務があったとしても、働くルールである労働法は守らなければなりません。また仮に借金があったとしても、退職の自由と就労の権利は認められます。

看護師の職場は大変きつい職場で人手不足が深刻になっています。この病院は、採用した看護師が働き続けたいと思うような職場環境を創る事が先で、弱みに付け込んで体調を崩すまで働かせ、退職に追い込むことは負の悪循環に陥り、労務管理の方法として最低であることを学習する必要があります。【中林】